給付金や助成金は、正しい申請の手続きをした対象事業者であれば必ず受給されますが、補助金には必ず審査があります。応募対象となる事業者である事はもちろん、ルールに乗っ取った申請書類で必要な情報を全て期限内に提出する必要があります。
定められた条件をクリアするだけでも大変なのですが、その上で審査される必要がありますので、「補助金はハードルが高い」と思われがちなのでしょう。
当社では、補助金申請のサポートをさせていただきながら、事業に必要なWebサイトなどの制作までお手伝いしておりますが、「おそらく採択を受けられないな」というご相談もございます。
時間をかけて必要な書類を準備し、書類作成のためのミーティングを重ねても、採択を受けられなければ水の泡です。
ここでは、「そもそもこのような申請は採択を受けられないから、申請はやめておきましょう。」というよくあるケースをご紹介します。
このような申請はおそらく採択を受けられない
このように申請すれば採択を受けられる。という正解はありません。それは、企業によってこれまで歩んできた歴史や強み、弱み、今後の展望、ターゲット市場などが異なるからです。しかし「このような申請は採択を受けられない」という、よくあるパターンは存在します。
補助金は申請するだけでもそれなりの労力を要しますので、時間の無駄は省きたいですよね。今補助金について検討されているなら、こちらのような「不採択になりがち」な考えになっていないか、考えてみて下さい。
1.補助金が取れたらラッキーというレベルで考えている
補助金は国民の税金を財源にしており、その目的は申請する企業の売り上げ向上を促進する為としているものがほとんどです。
例えば、あなたが一年間必死に働いた売上利益から納付した税金で、政治家が適当な行動を取っていると「そんなものの為に税金を支払いたくない」と思いますよね?また、一生懸命働くスタッフと、毎日遅刻をするしミスをしても反省の様子がないスタッフ、どちらにボーナスを支払いたいと感じますか?
このように、予算に限りがある補助金なので、そのお金は有効に活用したいと思うのが自然な流れです。
当社にもよく相談がありますが、「補助金が取れるならWebサイトを作って新しい事業を始めたいけど、取れなかったらやらない」という、取り組み自体に代表者様の熱意がこもっていない申請はほぼ不採択となっています。
補助金が取れなければ実費ででも実施するつもりだが、活用できるのであれば補助金を使いたいという思いでご相談をいただいた申請は採択を受けやすい傾向にあります。
2.申請サポート業者にまる投げで協力をしない
当社は、申請書類作成のお手伝いや、事業内容のご提案など様々なサポートをさせていただいております。また、申請サポートは全て無料で行なっており、不採択となった場合でも手数料を請求するという事はありません。
この無料のサポートが実現できているのは、お客様事の強みを引き出し市場のニーズに紐づける弊社のブランディングのノウハウを活かしているからです。
しかし、補助金にはどうしてもお客様に行動頂かなければならない事があります。
例えば、納税証明書や登記簿など必要書類の準備、オンライン申請なら事務局から届いたメールに対するご対応など、あくまでも申請者はお客様となりますので、一切行動せずに補助金が獲得できるという事はありません。
補助金申請についてご相談の際は確認をさせていただいておりますが、採択を受けるためにも必要なご対応についてはご協力いただくようお願いします。
3.補助金獲得後どのような変化が起こるのかが事業計画で見て取れない
事業計画を申請書類に盛り込む場合、社会背景や市場ニーズなどを記載し、時代にマッチしているという事をアピールする事も大切ですが、もっと大切なのは、「あなたの会社でどうなのか?」という点です。
補助金を活用するあなたの会社が社会ニーズとは異なる市場にメインターゲットがあるという場合、どれだけ社会の話をしても伝わりません。
これまでどのようなビジネスをしてきて、誰に購入いただいていて、どのような課題があるのか。そこに補助金を活用したどんな事業を加える事でどんな変化があるのか。といった、自分の会社がどうなのか?という視点で書いていくと良いでしょう。
4.事業規模で可能な範囲を超えている
申請書類には従業員の数や資本金、現在の財務財務状況なども書く事が一般的です。
補助金を活用して行いたい事業が、あまりにも事業規模を逸脱したものの場合、いくら資金提供があったとしても実現可能なのか?と疑われてしまいます。
例えば、1人社長の企業が、今までの仕事と平行して飲食店を開業するという申請の場合、今の仕事に影響がでるのではないか?調理とホールと一人でできるのか?と現実的な可能性に疑問を感じます。
もし、本当に可能な計画がしっかりと立てられているという場合、その旨も書類に盛り込むようにしましょう。
5.補助金活用後いつまでにいくら儲かるのか?がわからない
補助金は返す必要のないお金ですが、実際にそのお金が借入金だったとしても数年で返済できるような計画で計画を立てておく必要があります。
この計画が曖昧だと、補助金を交付しても特に売上成果がなく終わってしまうのではないか感じてと感じます。
例えば、どのような商品やサービスをいくらで売り、その原価はいくらで、1日にどの程度販売できるようになるのかといったシミュレーションを具体的に作成するなどして、申請書類に具体化を持たせましょう。
このように、補助金の申請は、正しい申請手続きをするだけでは採択を受けられません。
ポイントは、「補助金を出す機関(例えば経済産業省)」が掲げる補助金の目的を重視した計画にする事だと思います。IT導入補助金、小規模事業者持続化補助金などは、生産性の向上やビジネスの拡大といった経済に関わる事です。いわば、補助金を提供する分売り上げを高めてもらい、法人税の納付額を高くして欲しいという事がシンプルな目的だと思います。
ただホームページが欲しい、設備を入れ替えて快適な環境にしたいというだけでは採択を受けられませんのでご注意ください。