2026.08.22

採用・集客・信頼構築を1サイトに。目的が複数あるホームページの正しいページ設計とは

2026.08.22集客・ブランド

「採用もしたいし、新規のお客さんも増やしたい。それに会社の信頼感も伝えたい。だからホームページに全部載せよう」——こういう発想、じつはよくあります。気持ちはすごくわかる。でも、この「全部乗せ」の考え方が、結果的にどのユーザーにも届かないサイトを生みがちです。

目的が複数あること自体は問題ではありません。問題は、整理せずに詰め込んだときに起きます。この記事では、中小企業のホームページが陥りやすい「目的過多サイト」の構造的な問題と、複数の目的をうまく整理してページ設計に落とし込む考え方を丁寧に解説します。

結論、「目的が複数あるサイト」をうまく機能させたい中小企業には、ユーザーを起点にした目的の分類と導線設計が不可欠です。

「目的が複数ある」サイトが抱える3つの構造問題

ホームページに複数の目的を持たせること自体は悪くありません。むしろ中小企業では当然のことです。ただ、整理されないまま「全員向け」に作られたサイトには、共通する問題が3つあります。

誰に向けて話しているか分からない

採用候補者と見込み客では、知りたい情報も判断基準もまったく違います。その両者に同じトップページで「同時に話しかける」設計では、どちらにも刺さらず離脱につながります。

優先順位がないため、何も強調されない

伝えたいことを全部並べると、ページの「濃度」が均一になってしまいます。人は重要度の差がないと何に注目すればいいか分からなくなる。結果、ファーストビューで「なんとなく伝わらないサイト」と判断されます。

導線が交錯して次の行動につながらない

「問い合わせ」「採用エントリー」「資料ダウンロード」「SNSフォロー」——複数のCTAが混在すると、ユーザーはどれを押すべきか迷い、結局何もしないまま離脱します。CTAが多いほどコンバージョン率が下がるのはこのためです。

つまり「全部載せ」は、親切に見えて実は誰も助けていない設計なのです。

まず「ユーザーを分ける」ことから始める

複数目的のサイトを整理するとき、最初にやるべきことは「誰が来るか」を分類することです。目的から逆算するのではなく、ユーザー起点で考えるのがポイントです。

たとえばこんな分類が考えられます。

新規顧客(サービスを検討中の人)

価格・実績・信頼・問い合わせまでのわかりやすさを見ています。「この会社に頼んで大丈夫か」を短時間で判断したい人たちです。

求職者・転職希望者

仕事内容・職場環境・社風・待遇・代表の人柄を見ています。「ここで働くイメージができるか」が判断基準になります。

既存顧客・取引先

最新情報・実績・安心感を確認しています。「信頼関係を継続できるか」を確認するためにアクセスします。

この3者が同じトップページを入口にしているとしたら、それぞれに「自分のための場所がある」と感じてもらう設計が必要です。全員向けのメッセージは、誰にも届かないメッセージになりがちです。

複数目的を整理する「ページ分割」の考え方

ユーザーを分類したら、次はそれぞれの目的に対応するページ(またはセクション)を設計します。ここで使えるのが「目的ごとにページを分ける」アプローチです。

コーポレートサイトと採用サイトを分ける

規模が大きくなってきた会社や、採用に力を入れたい会社では、コーポレートサイトとは別に採用専用のページ(採用サイト)を設けるのが有効です。採用候補者は会社概要よりも「働く環境」「人」「カルチャー」に関心があります。コーポレートサイトと採用サイトで伝えるべきことは重なっていそうで、実は視点が異なるのです。採用サイトに誘導する導線をコーポレートのトップに置くだけで、情報の整理がぐっと楽になります。

ランディングページ(LP)でサービスごとに分ける

複数のサービスを持つ会社であれば、サービスごとにLPを作るのも有効な手法です。SEOや広告からの流入を特定の目的に絞り込めるため、コンバージョン率が上がりやすくなります。「全サービスを一覧で見せる」より「この悩みにはこのサービス」と一本道で見せる設計のほうが、検討中のユーザーには刺さります。

トップページは「振り分けの場」として設計する

それでもトップページは全ユーザーの入口になる場合が多い。だからこそ、トップページの役割を「全部伝える場」から「適切なページへ誘導する場」へと切り替える発想が大切です。会社の一言紹介・各ユーザー向けのナビゲーション・信頼感の担保(実績・ロゴ・メッセージ)を置けば、それだけでも機能するトップページになります。

目的別・ページ設計の比較早見表

  • 目的
  • 主なユーザー
  • 適したページ種別
  • 重要なコンテンツ
  • 新規集客
  • 見込み顧客
  • サービスLP・コーポレートサイト
  • 課題解決の提案・実績・問い合わせCTA
  • 採用強化
  • 求職者
  • 採用サイト・採用ページ
  • 社風・働く環境・代表メッセージ・エントリーCTA
  • 信頼構築
  • 既存顧客・取引先
  • 会社概要・実績・ブログ・お知らせ
  • 更新頻度・実績の積み上げ・ブランドの一貫性
  • ブランディング
  • 全ユーザー
  • トップページ・About
  • ビジョン・価値観・世界観のデザイン

この表のように整理してみると、「どのページで何を伝えるか」が格段にクリアになります。目的の数だけページや導線を設ける必要はありませんが、ユーザーの視点でマッピングすることで、設計の抜け漏れが見えやすくなります。

「詰め込みサイト」を避けるための3つの判断基準

ページを作る・情報を追加するときに「これは本当にここに必要か?」を判断するための基準を3つ紹介します。

このページに来るユーザーは誰か?

ページごとに「このページに来るのは誰か」を一人に絞り込む癖をつけましょう。複数のユーザーが混在しているなら、ページを分けるサインです。

このページでユーザーに取ってほしい行動は何か?

CTAは1ページに1〜2個が理想です。「問い合わせ」と「採用エントリー」と「SNSフォロー」を同列に並べるのは避け、ページの目的に合ったCTAだけを強調しましょう。

この情報は「ここ」でないといけないか?

「念のため載せる」情報がページを重くします。詳細は別ページに飛ばし、要点だけを見せる設計にすると、ユーザーの認知負荷が下がります。

この3つを繰り返し問いながら設計・改善を進めるだけで、「伝わるサイト」への精度は大きく上がります。

まとめ:目的の整理こそ、サイト設計の出発点

採用・集客・信頼構築——どれも大切だからこそ、整理せずに詰め込んでしまう。でも、それがかえってどのユーザーにも届かないサイトを生んでいます。

大切なのは「誰に・何を・どこで」伝えるかを分解すること。ユーザーを起点にページを設計し、目的ごとに導線を分けることで、初めてホームページは「使われるツール」になります。

グラフィティーでは、ヒアリングを通じて会社の課題や目的を丁寧に整理した上で、コーポレートサイト・採用サイト・LPなどを提案・制作しています。「何を作るか」より先に「誰に・何を伝えたいか」から一緒に考えるスタイルなので、目的が複数あって整理できていない段階でも気軽にご相談いただけます。

「今のサイト、なんとなく機能していない気がする」と感じている方は、ぜひ一度ご相談ください。

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